“どこでも漢方”の村山陽子です。
下痢した!!
そんな時、皆さんはどうします?
ご自身の場合…。
小さなお子さんの場合…。
状況は様々ですが、まずは
慌てない!!
ことです。
下痢の患者さんは、薬局でもよく見かけますが…。
「今朝、下痢してました」と受診される患者さん。
…整腸剤だけ記された処方箋を持参されることが多いです。
「下痢が2日程続いています」と受診される患者さん。
…この場合も整腸剤だけの処方箋。
そして、よくある質問がこれ。
「下痢止めないのですか?」
過敏性腸症候群のような慢性の下痢には使われますが、急性の下痢に下痢止めは使いません。
下痢の原因がウィルスや細菌の場合、体外への排出を止めてしまうことになるからです。
暴飲暴食・冷え・ウィルス・細菌…原因は様々ですが、殆どの急性期の下痢は数日内に改善します。
慌てて受診しても整腸剤のみで帰されることが多いです。
先ずは慌てず、胃腸を休ませる食事の工夫を。
脂っこいもの・甘い物を避け、消化が良く栄養価の高いものが良いでしょう。
お粥は、皆さんもご存知の献立です。
ただ、「食べると下痢するから、ずっとお粥」だと、軟便のままで回復に時間がかかります。
薬膳的に“補う”働きのある食材、卵や白身魚、鶏のササミ、豆腐、カボチャ等を加えると良いでしょう。
水分補給は大事ですが、摂りすぎは考えもの。
特に、スポーツドリンクは要注意です。
冷やして飲むことが多いので、飲み過ぎは胃腸を弱らせます。
糖分が多いので、下痢を悪化させる可能性もあります。
少なくとも1〜2回の下痢では、急に脱水状態にはならないので、麦茶やほうじ茶、味噌汁で充分です。
味噌汁だと、具を消化を助ける大根にすれば、下痢で水分と共に失われたカリウム・ナトリウムの補給にもなります。
その他の工夫として、あると便利なのは五苓散。
身体を構成している“水”のトラブルに広く用いられる漢方薬です。
下痢の他に、吐き気や二日酔い、雨の日の頭痛に使えます。
漢方薬はお湯で飲むイメージが強いのですが、五苓散は冷たい(とはいえ、冷やしすぎには注意)水が飲みやすいです。
こうしたケアで数日のうちに回復する下痢が殆どですが、注意すべき下痢もあります。
●高熱や嘔吐を伴って、飲食できない
●便に血が混じっている
●下痢が1週間以上続く
…こうした場合は、受診しましょう。
1週間以上続く慢性の下痢には、体質に応じた漢方薬が有効な場合があります。
自分を知り、正しく労わり、健やかな毎日を…。
“どこでも漢方”では、今あるお身体の不調の原因を漢方の観点から探り、養生や漢方薬を通じて健やかな毎日を一緒に目指していきます。
「病院や薬局で尋ねにくい」、「かかりつけの病院や薬局とは別に意見をききたい」…等、お薬や健康に関するお悩みもお気軽にご相談ください。
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