\子育ての悩み解決は即効性を求めない/
育児で悩んだときにまずやるべきこととは?
育児の悩みは、様々な要因が複雑に絡まっていることが多いものですよね。
単独の要因がある問題を引き起こしていることはむしろまれです。
そのため、日々出会う問題を、その場その場で対処しようと思うと、うまくいかないことが多いです。
ここでは、育児全体が
「なんだかうまくいっていない」
と感じたときに、まず取り入れたい
心理学的アプローチをまとめてみました。
◆「一晩で激変」のようなミラクルは起きない
「弟を叩いてしまうんですが、どうしたら叩かなくなくなりますか?」
というような質問をされたりします。
その質問の裏には、
「叩かなくなる方法があるだろう」
「言うことを聞く方法があるだろう」
という思いがあります。
共通しているのは、みんな「その場での対処法」を求めているということです。
まるで
「頭痛には頭痛薬」
「発熱には解熱剤」
「傷口には絆創膏」
というように、対症療法的な発想で、
子育てを捉えてしまっていることが非常に多いのです。
しかし、育児というのは、1人の子の過去、現在、未来がつながっているものです。
よって、今、目の前にある問題の引き金は、今にあるわけではないケースがほとんど。
「この問題にはこれ」
「あの問題にはあれ」
というようなアプローチだけでは、
対応できないのも当然です。
育児に即効性を求めると危険な面も
問題が起こったときに、その場でなんとか対処しようとばかり考えてしまうと、言うことを聞かせたいあまり、強い力をかけてしまうことも少なくありません。
はじめは、「〇〇しなさい」と優しく言っていたママも、
「何度言ったら分かるの!」
「いいかげんにしなさい!」
「まったくママを困らせることばかりして!」
「どっかに行っちゃいなさい!」
とエスカレート。
そしてしまいには、
「罰として、外に出ていなさい!!!」
育児に即効性を求めてしまうと、対処が手荒になる傾向が高くなってしまいます。
先ほど、「頭痛には頭痛薬」という例を出しましたが、結局は体も、「飲んですぐ効く」よりも、免疫力を高めたり、食生活に気をつけたり、運動を取り入れたりする包括的なアプローチが、風邪を引かない体を作りますよね。
心の健康も同じで、「やってすぐ効く」ものよりも、土台を作る包括的な取り組みこそが、育児の諸問題を解決へと結びつけたりします。
◆育児の原点はアタッチメントにあり
育児で悩んだら、まずは「アタッチメント」に立ち返りましょう。
アタッチメントとは、子供が親に感じている精神的な絆のことです。
私は多くの場面でアタッチメントの必要性を感じてきましたが、これに立ち返ると、まず100%育児が大きく変わります。
上に挙げたような個々の悩みも、解消できてしまうことがあったりします。
なぜなら、その子がいたずらをしたり、意固地になったりするのは、ママの注意を引くためで、それが「アタッチメント強化」で満たされたことで、叩く必要がなくなったり、意固地になる必要がなくなったりすることがよくあるのです。
この場合のアタッチメント強化でおすすめなのは、お子さんとの距離を今よりも縮め、ひと手間かけていくこと。
ママとの距離が離れ、子供任せになってしまうと、諸問題が起こりがちだからです。
たとえば、
・夕食後、リビングなどでうたたねをさせ、それで寝かしつけにしてしまっている
・「宿題をやりなさい」「ピアノの練習をしなさい」と言葉だけで指示を出して、子供任せにしている
・いつのまにか外へ遊びに行き、いつのまにか家に帰ってきていて、詳しく知らない
・週末の午後、家族全員がバラバラなことをしている
心当たりはありませんか?
何でも一人でできるから、もう小学生なのだからと、子供任せにしていることを、あとひと手間かけてあげましょう。
・宿題をやるときには、隣に座ってあげる
・リビングで寝ないように、きちんと布団に寝かせるようにする
・友だちが遊びに来たら、おやつを出したりしながら、関わろうとする
・車通りの激しい道は、付き添ってあげる
・週末の午後は、家族全員でできるゲームをする
このような関わりは、
「過保護」とは非なるもので、子供との絆を強めるプラスの働きをしてくれます。
「ママがこんなにボクに関わってくれる」と感じることが、多くの問題を解消してくれる助けとなります。
「こんなことまでやってあげるなんて面倒くさい」「一人でできるのだからおせっかい」と思わずに、あと少し、踏み込んであげてください。
アタッチメント強化は、体の免疫強化と同じような役割を果たすので、外側からの力に耐えうる心を育んでくれます。
なので、育児に悩んだら、まずはアタッチメント強化に立ち返ること、これがベストな策です。
その土台の補強をしてから、今抱えている悩みに向き合うと、ずっと対処が楽になりますよ。