離乳食、幼児食の指導では、必ずといっていいほど食事バランスの話が出ますよね。
(写真は、農林水産省のHPからお借りしました。)
食事バランスが大事なのは分かっているけど、上手くいかないのが偏食の子育て。
栄養を気にしていると、なかなか食が進みません。
なぜ食事が進まないかというと、食事は親と子の共同作業だからです。
食べる食べさせるという関係を通じて、保護者や養育者との間に心の絆が生まれ、信頼関係の構築や愛着の形成に発展していくと考えられる。
(論文「食事を楽しくないものにする要因の検討」)
母親になると、食事を楽しむというよりは、食べさせる義務のような気持ちになっていませんか?
思い出してください。
子どものとき、好きなメニューが出るとテンションが上がったときのこと。
遠足で友達と食べるお弁当が美味しかったときのこと。
そのころは栄養なんて考えず、純粋に食事を楽しんでいたと思います。
食事をしている環境が、心を穏やかにしていたのです。
実際、新宿区の乳幼児の食事を調査したところ、子どもの気持ちを理解した行動をお母さんが取れない場合、子どもの食事が進まなかったという結果が出ています。
子どもの栄養を考えて食事を出しても、子どもがその食事を好んでいなかったら…
子どもが食べたがっていないときに、無理やり食べさそうとしていたら…
子どもの食事が進まないのです。
特に発達障害の子どもは、こだわりの強さ、マイペースさ、感覚の過敏さなどがあるため、栄養を重視していると食べるものがなくなってしまうということが起こります。
偏食の悩みを解消したいなら、最初にすることは子どもが食事に安心感を得ることです。
思い切って、子どもが好きなものだけを出してみてください。
今まで食事をすることに良い印象がなかった子どもでも、好きなものが出ることで食事が楽しくなります。
偏食の困りごとにアプローチするのは、その後です。
栄養を考えてお母さんが無表情でいるよりも、ちょっと食事が適当でも微笑んでくれている方が、子どもの食は進んでいきますよ。
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第2章の幼児編を執筆しています。
「料理を工夫しても、偏食がひどく食事のたびに泣きさけぶ園児4歳」(P89)
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