応用行動分析学(ABA)に基づく子どもの癇癪(かんしゃく)への対応
こんにちは!私は、ペアレンツプログラムの講師をしています。今日は、応用行動分析学(ABA)の視点から、子どもが癇癪を起こしたときの対応についてお話ししたいと思います。
なぜ子どもは癇癪を起こすのか?
ABAでは、行動には必ず理由(機能)があると考えます。子どもが癇癪を起こすのは、「自分の気持ちを伝える手段が限られている」からです。大人はストレスを感じたときに、甘いものを食べる、友達に話す、散歩に行くなど、様々な対処法を知っています。しかし、子どもはまだ選択肢が少なく、「泣く」「怒る」「叩く」といった行動しか思いつかないことが多いのです。
癇癪へのABA的アプローチ
1. 行動の機能を理解する
まず、子どもがどんな目的で癇癪を起こしているのかを観察しましょう。ABAでは、「ABC分析(Antecedent=前提条件、Behavior=行動、Consequence=結果)」を使って行動のパターンを探ります。
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前提条件(A):どんな状況で癇癪が起こるのか?(例:宿題中に間違いを指摘されたとき)
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行動(B):どのような反応をするのか?(例:大声を出す、物を投げる)
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結果(C):周囲がどんな対応をしたのか?(例:親が手伝った、宿題を中断した)
この分析をすることで、子どもがどんな目的で癇癪を起こしているのかが見えてきます。
2. 望ましい行動のレパートリーを増やす
癇癪を減らすためには、「適切な行動の選択肢を増やす」ことが重要です。
例えば、ある子どもは宿題中に間違いを指摘されると不機嫌になっていました。その子には、「イライラしたら紙をぐしゃぐしゃにする」という行動を提案しました。
最初は遊び半分で取り組んでいましたが、ある日、「あー、ここに紙があったらぐしゃぐしゃにするのにな」と口にしました。すると、それを言葉にしただけで落ち着けたのです!
このように、新しい行動を知ることで、子どもは少しずつ適切な対処法を身につけていきます。
3. 適切な行動を強化する
ABAでは、適切な行動を増やすために「強化」を使います。
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ポジティブな強化:「イライラしたときにぐしゃぐしゃできたね!」と成功を認める。
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ネガティブな強化:「落ち着いてからもう一回やってみよう」と、ストレスを軽減する。
子どもが適切な方法で気持ちを表現できたら、積極的に褒めてあげましょう。
4. 癇癪を強化しない
「泣けば助けてもらえる」「怒れば要求が通る」と学習してしまうと、癇癪は続きます。そこで、癇癪ではなく適切な方法で伝えたときにのみ、要求を満たすようにしましょう。
例えば、宿題中に「もうやりたくない!」と怒るのではなく、「ちょっと休憩したい」と伝えたら休憩できる、というルールを作ると効果的です。
まとめ
子どもの癇癪は、「できる行動の選択肢が少ない」ことが原因で起こります。大人が適切な行動を教え、望ましい行動を強化することで、子どもは自分の気持ちを適切に伝える方法を学びます。
今回のケースでは、「ぐしゃぐしゃする」という代替行動を知ることで、子どもは少しずつ自分の気持ちをコントロールできるようになりました。このように、行動のレパートリーを増やしてあげることで、子どもが自己肯定感を保ちつつ成長できるのではないでしょうか。
子育てのヒントとして、ぜひ試してみてくださいね!
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